ヘルメス学
ヘルメス学の記事一覧
最新記事
エメラルド・タブレット|起源・本文の意味・受容史
実物の緑玉の石板がどこかに残っているわけではありません。いま読めるエメラルド・タブレットは、8〜10世紀のアラビア語文献、とくにKitāb Sirr al-Khalīqa wa-Ṣanʿat al-Ṭabīʿaにたどれる短いテキスト伝承として受け取るのが出発点です。
カバラとは?ユダヤ神秘主義の歴史と核心
タロット入門書の生命の樹 対応表からカバラに入ると、同じ図を見ているはずなのに、ユダヤ文献で語られる内容が思ったより違っていて戸惑うはずです。この記事は、その混乱をほどきたい初学者に向けて、カバラを占い・数秘術の総称ではなく、ヘブライ語のqabbalah、
黄金の夜明け団とは|起源・構造・影響
一般には1888年にロンドンで創設されたとされていますが、創設の細部(創設誓約日など)は出典によって異なります。誓約日を1888年2月12日とする資料もある一方で、出典の取り扱いによって表記が分かれるため、
薔薇十字会とは?三大宣言書と思想背景
薔薇十字会は、しばしば「十五世紀から続く秘密結社」として語られますが、研究の視点では、1614年から1616年にかけてドイツ語圏で出現した匿名宣言書群が生んだ思想運動、いわば文書事件として理解するほうが実態に近いと考えられます。
新プラトン主義と魔術|フィチーノとルネサンス
十五世紀フィレンツェで新プラトン主義がなぜ魔術と結びついたのかをたどると、後三世紀のプロティノスに始まる一者・流出・帰還の哲学が、翻訳と注解を通じて近代初期の知の配置そのものを書き換えていく過程が見えてきます。
ヘルメス・トリスメギストスとは?正体と受容史
FGOや神秘小説では、ヘルメス・トリスメギストスは「超古代に実在した賢人」として受け取られがちですが、思想史の文脈で見ると、実像はひとりの歴史人物ではありません。ヘレニズム期エジプトでヘルメス神とトート神が習合して生まれた、知の権威を背負う伝説的な名として捉えると、混乱がほどけます。
生命の木とは?セフィロトの10球と22の小径
大学の宗教学演習でキルヒャーのセフィロト図と黄金の夜明け団の対応表を並べて見たとき、同じ「生命の木」と呼ばれていても、歴史の中で図像は最初から固定されていたわけではないのだと腑に落ちました。